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Ana Maria Cristina

時に、生きていく毎日の中で、心の琴線に触れる出逢いが突然贈り物のように訪れることがあります。

音楽だったり、本だったり、映画だったり。生身の人間同士でなくても何かの媒体を通して出逢いはやって来ます。

 

私もいくつもの分岐点になるような出逢いを重ねて来ました。

その出逢いの一つを今日はご紹介させて頂きたいと思います。

 

東京在住のドイツ人アーティスト、ダンサーのAna Maria Cristina(アナ マリア クリスティーナ)です。

彼女との出逢いは2000年の8月。彼女の出版したばかりの「アナマリアクリスティーナのアートヒーリングの世界」(とびら社)の本を大阪の書店で手にした事からでした。当時私は、既に個展活動をしていた時で、描く事が自分自身を癒すプロセスなのだと気付き始めた頃でした。本の表紙のカラーとアートヒーリングという言葉に惹かれ、本を開くと目に飛び込んできたのは見たことのない絵でした。繊細で温かく、でも孤独を知っている人にしか描けない世界。一瞬で恋に落ちました。すぐにその本を持ってレジに行き、帰りの電車の中で読みかけて涙が溢れそうになってしまって読むのを我慢しながら帰りました。

その晩、夕食が終わると同時に自分の部屋にこもり、じっくりと本を読み進めながら、この人は同じ場所を知っている人、私はこの人に逢わなければならないと強く感じました。

当時は英語もそれほど話せなかった私は、それでも自分の想いをアナさんに伝えたいと強く思い、本を購入したその晩に数時間かけて筆で自分の想いをそのまま日本語でしたためました。自分の作品も彼女なら世界が通じると感じたので作品のポートフォリオを作り同封しました。わかっているのはその本に書かれた出版社の住所だけ。きっと届けてくれるはずだと信じて、出版社経由でアナさんに手紙を送りました。

それからしばらくして、出版社から手紙を頂き、アナマリアは現在海外にいる為、戻ったら必ずあなたの手紙は届けますと書いてくださっていました。 

丁度、初めての私の東京の個展があった頃だったのですが、東京の個展が終わり完全燃焼をした後、これから自分はどうやって生きていこうと色々考えていた年の暮、出先にいた私に母から電話があり、外国人のアナさんという人から電話があったから、折り返し電話をしてあげてとのこと。大阪の梅田駅で嬉しすぎて飛び上がりそうになりました。

その手ですぐに電話をかけた事、今でも覚えています。何と電話してよいのかわからなくて、Yukiです。と電話口で伝えると”Yuki! 私はあなたに逢いたい!あなたの絵も手紙も素晴らしい!明日逢える?”と。彼女が東京に住んでいることを忘れて、”もちろん、逢いに行きます!どこに何時に行けばよいですか?”と聞きました。 ”じゃあ、明日朝10時に原宿の●●●●というカフェで!”二つ返事で”わかりました。楽しみにしてます”といって電話を切ってから我に返った私。当時はインターネットも普及し始めたくらいだったので、家に帰ってからパソコンでカフェの場所を調べて、時間を逆算して始発近い電車で家を出て、9時過ぎには東京に着いていました。

初めてなのに逢って何を話そう、どう伝えたらいい…とか色々想いを巡らせていましたが、カフェに大柄の女性が入って来た瞬間に”あなたがYUKIね!逢いたかった~!”とハグから始まり、その瞬間からお互いに幼馴染と話しているような不思議な感覚になりました。話は全然止まる事もなく、朝の10時に待ち合わせて、結局最後は彼女の自宅に招待され、夜の10時まで!ずっと話通しでした。

彼女は毎年のように京都にも滞在するのですが、その度に京都でも逢うようになりました。それは今でも続いています。

出逢ってから20年以上が経ちました。その間に私も伴侶との出逢い、結婚、出産と続きましたが、親よりも先にアナマリアに未来の伴侶を紹介しました。結婚式にも来て踊ってくれました。数年逢えない事もありましたが、逢えば話したいこと、伝えたい事がお互いたくさんあって、近況報告をしたり作品を見せ合ったり。不思議なご縁もたくさん繋がっていて、お互いに逢う度に、この出逢いに感謝し、出逢うべくして出逢った運命を感じています。

私が辛い時には、大きな視点で導いてくれます。彼女が元気がない時は、ただ二人で東京や京都をブラブラ散歩して、お茶をして話を聞きます。東日本大震災が起きた際には、初めて体験した大きな揺れに恐怖を感じた彼女がしばらく大阪の私の自宅に滞在した事もありました。

年齢も育った環境も見てきた世界も全く違うのに、ずっと前から知っている不思議な感覚がお互いにあります。

 

そんなアナマリアは毎年東京で個展をされています。

夏前にドイツに帰っていて、コロナウイルスでミュンヘンもロックダウンがあったので気になっていましたが、昨日個展の案内とメッセージが届きました。無事に日本に帰って来られていて、今年も個展を開かれるとのことでした。

アナマリアの絵の世界とメッセージ、彼女そのものに触れる事は、今この時代だからこそ、きっと心の奥深くに眠っている何かを揺り起こしてくれるのではないかと思います。

個展は下記にて行われます。

是非お近くの方はお立ちよりください。そして彼女の世界に、彼女自身に触れてください。きっとあなた自身の中に眠るGIFTに気付けると思います。

 

アナマリアクリステイーナ展

ーWorld of Art Healing-

2021年3月30日(火)~4月10日(土)

11:00AM~6:30PM(最終日は4:30まで) 日曜は休廊

場所:ギャラリー惣

   〒104-0061 東京都中央区銀座7-11-6 徳島新聞ビル3F

   TEL 03-6228-5507

 

<個展によせてアナマリアのメッセージ>

 

新しいチャンスです。春が来ました!と同時に希望と喜びが新しく始まる。そして広い道がひらける。

何か月の間、不安で、結局、光がでてくる。

アナマリアの絵を見ると光と幸せさが、あなたの心に入ります。

私は皆に人生の新しいスタートを望んでいる。

ギャラリー惣で15回目の個展です。

どうぞご覧ください。

 

<アナマリアクリスティーナ プロフィール>

 

ドイツ生まれ。バイエルン国立劇場をバレエダンサーとして卒業後、奨学金を得てNYのジュリアード音楽院、マーサ・グラハム・コンテンポラリー・ダンスセンターを卒業。カーネギーホールなどの一流舞台を多数踏む。また世界各地のダンスフェステイバルや国連主催の公演に出演を依頼され、これまでに31ヵ国を訪れた。ダンスとアートセラピーが一体となっているパフォーマンスは、国境、年齢、職業を超え人々に感動と反響を与えている。アートセラピーとは哲学や心理学、ヨガや気功を取り入れた彼女独自のメソッドである。

初来日は1983年。1986年ミュージカル”モンキーマジック”の振付。1990年より朝日カルチャーセンターにてラテンダンス、フラメンコ、アートセラピーのクラスを持つ。青山学院大学などでも定期的に講演。温かくパワフルな人柄は学生からも熱烈に支持されている。ドイツの国営放送では彼女を追ったドキュメンタリーも作成されている。8か国語を操り日本語も堪能。世界中で活躍する彼女は日本人が大好きと語り、とりわけ日本人にそのメッセージを伝えることに情熱を注いでいる。

 アナマリアクリスティーナのアートヒーリングの世界 より